研究者業績

宇都宮 由佳

ウツノミヤ ユカ  (Yuka Utsunomiya)

基本情報

所属
学習院女子大学 国際文化交流学部 日本文化学科 教授
大妻女子大学
学位
博士(学術)

J-GLOBAL ID
200901069258390693
researchmap会員ID
1000366083

論文

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MISC

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  • 宇都宮 由佳, 福永 淑子, 松本 美鈴, 谷澤 容子, 石井 克枝
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 25 2013年  
    <b><b>【目的】</b></b>タンパク質を多く含む食品の調理に注目し,日本,タイ,台湾,フランス,イタリアなど各地域における食生活の国際比較を行うことにより,それぞれの食の伝統がどのように日常食に反映されているか浮き彫りにし,各地域の食生活の方向性を読み取ることを試みようとしている.本発表では,タイと台湾の特徴を把握することを目的とした.<br><b><b>【方法】</b></b>調査は2011年5月~2013年3月,タイ王国チェンマイ県ラジャパートチェンマイ大学にて,大学生男子50名,女子50名計100名(2011年8月),台湾省台北市中国文化大学にて,食物学関係の協力の教員に依頼し,3,4年次生合計100名,一般女性63名(2011年11-12月)を対象に,自記式調査を実施し,継続的に補足調査をした.内容は,属性,連続した平日2日間の食事の記録(料理名,食品名,調理方法,調達方法,食事場所など)とした.アンケート解析には,統計用ソフトSPSSを用い,単純集計,クロス集計およびχ<sup>2</sup>検定などを行った.<br>【<b><b>結果】</b></b>タンパク質性食品の摂取において,両国ともに肉類からが5割以上で高く,次いで卵が約3割,魚介類が約1割の順であった.ただし,大豆類は,台湾がタイに比べ多く摂取していた.また肉類では,豚肉の摂取が最も多く,次いで鶏肉で,牛肉が最も少なく両国で類似した傾向が見られた.朝食,昼食,夕食のうちタンパク質性食品は主として昼食と夕食に多く摂取されているが,卵は台湾では朝食に摂取されていた.乳製品は,タイでは間食に摂取されていたが,台湾では低く,主として朝食に摂取されていた.(本研究は,2011年度~2013年度公益財団法人アサヒグループ学術振興財団からの助成を受けている)
  • 福永 淑子, 前田 文子, 宇都宮 由佳, 田渕 弘子, 瀬尾 弘子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 25 2013年  
    <b>【目的】</b>家庭の調理にはガスあるいは電気(IH)を熱源とする方法があり、両者の主な違いは一方は炎が見えること、炎を見ながら火力調節し、加熱することである。本研究は、炎を見ながら調理する経験が、小学生の炎を扱う感覚、ならびに調理に対する意識や意欲に与える影響を知るために行った。さらに、実習を繰り返すことによって、それらがどのように変化するかを知ることを目的とした。<br><b>【方法】</b>普段、炎を使う調理経験の少ない児童(市川市内の小学5、6年生、計22名)に、約1時間以内の炎を使うガスコンロ調理(以下、ガス調理)を平成25年3月から1か月おきに4回、料理数を1品ずつ増やしながら体験してもらった。小学生とその親を対象にアンケートを実施し、ガス調理に対する意識や行動に関して1~5点で評価させた。アンケートは事前、第3回、第4回、実習終了2か月後の計4回である。実習中の様子を動画記録し、時系列でその変化について分析した。また、実習終了後に「今日、気がついたことや注意した点」などについて聞き取り調査した。<br><b></b><b>【結果】</b>アンケートについて、事前と第3回目の結果を比較したところ、実習を経てガス調理に対する「怖さ」の値は減り、「調理に集中できる」「簡単に調理できる」が増加した。一方、「料理が上手くできる」は、うまく焼けない苦い体験をした結果、低い値となった。「時短になる」「楽しいと思う」等には変化がなかった。また、「自分で作りたい」「誰かに作って食べさせたい」「誰かに自慢したい」という意欲が上がり、7割の児童が実習で習った料理を家庭で作っていた。さらにガス調理を経験したことで、普段の生活でも「集中力、自信が増すと思う」との結果が出た。
  • 宇都宮 由佳
    伝統食品の研究 (39) 1-10 2012年12月  
  • 宇都宮 由佳, 本郷 健, 松風 嘉男, スイワナーソン パタニ
    大妻女子大学家政系研究紀要 48(48) 21-34 2012年3月3日  
  • 明渡陽子, 初鹿静江, 宇都宮由佳
    Campus Health 49(1) 353-355 2012年2月  
  • 宇都宮 由佳
    年会論文集 (28) 280-281 2012年  
    情報リテラシーと情報モラル教育について,日本とタイの中学生を対象に,2011年に質問紙調査・聞き取り調査を実施し,両国の実態と教育のあり方について検討した.両国共通の問題としては,ネットにおけるコミュニケーションをいかに生徒達が安全に行えるかであった.パソコンスキルは,タイは日本に比べ高く,学校である程度習うと後は必要なスキルを独学または友人達から習い身につけていた.インターネット上の情報について,日本では警戒心が強いものの対応があまりなされていない.一方タイは,情報源・情報比較・情報の新鮮度など気を配っており,ネット情報に対する対応の違いがより明確になった.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 長谷川 典子
    大妻女子大学家政系研究紀要 47 161-174 2011年3月3日  
  • 明渡陽子, 宇都宮由佳, 初鹿静江
    Campus Health 48(1) 150-152 2011年2月  
  • 明渡陽子, 宇都宮由佳, 初鹿静江
    日本産業衛生学会講演集(CD-ROM) 84th ROMBUNNO.4-2-05 2011年  
  • 宇都宮 由佳
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63 35-35 2011年  
    <B>研究背景・目的:</B>東アジア一帯には,イネ,アワ,ハトムギ,モロコシ,トウモロコシのモチ性穀類が分布している.独特の粘りのあるモチは,伝統的な儀式,祝い事などハレの日に多く用いられる.モチには,蒸した米を臼で搗いた「搗きモチ」,米粉などで作る「練りモチ」,生モチ米を笹の葉などで巻いて蒸し・茹でた「チマキ」があり,民族の伝統的な食文化や思想が反映されている.そこで本研究では,モチ文化起源センター(坂本1989)の一部であるタイ北部に着目し,そこに居住する山地民のモチ食文化を分析し,モチに込めた意義を探る.タイには,複数の山地民が居住しており,今回はヤオ族の実態を明らかにする.<BR><B>調査方法:</B>2008年2月~2010年8月チェンライ県のヤオ族の村で,モチの名称,種類,使用する道具,作る工程と役割分担,作る時期や目的,食べ方などを写真,動画で記録した.また村長,長老に面接聞取り調査を実施した.<BR><B>調査結果:</B>ヤオ族は,中国の雲南省を起源とし,漢字による文書の普及や民間道教の色彩が濃厚な宗教儀礼など,概して中国の伝統文化の影響が顕著にみられる.自らを「ミエン」とよび,漢字を読める年長者も多い.ヤオ族には,搗きモチ「ユアゾン」,チマキ「ユアダオ」と「ユアクイ」がある.搗きモチは,ヤオの正月(旧暦の正月1-2月)に作られ,縦臼横と縦杵,返しベラを用いて,炒ったエゴマをまぶし,船の艪のようなヘラで返しながら搗いていく.チマキは,戦争で亡くなった祖先の霊を慰める行事(8月)の際に作られる.ヤオ族は,各家庭に祭壇があり,そこに花,果物,酒,茶と共にモチを供え,霊媒師に,祖先の名前とともに呪文を唱えてもらう.
  • 宇都宮 由佳
    年会論文集 (27) 264-265 2011年  
    情報のリテラシーとモラルについて,日本とタイの中学生を対象に,2009年~2011年に質問紙調査・聞き取り調査を実施し,両国の実態と問題点を抽出した.情報リテラシーについて,日本に比べタイは,メディア・インターネットへの接触時間も長く,パソコンスキルがあった.情報モラルについては,両国ともに自己防衛や他者への配慮は意識されていた.しかし,アイドルなど画像の無断使用,音楽・ソフトなどコピー譲渡などの認識が低く,特にタイでは日本に比べ著作権に対する意識が低かった.インターネット情報の活用・信用は,テレビに次いで両国とも高く,インターネットへの接触時間が長いほどネット情報を信頼していた.しかし,複数の情報源と比較して正しい情報を得ようとする者は少なく,情報を鵜呑みにしている恐れがある.
  • 明渡陽子, 宇都宮由佳, 初鹿静江
    Campus Health 47(3) 71 2010年10月  
  • 小林実夏, 益本仁雄, 堀口美恵子, 宇都宮由佳
    大妻女子大学人間生活文化研究所年報 (20) 65-68 2010年5月31日  
  • 益本仁雄, 本郷健, 宇都宮由佳, 滝山桂子
    大妻女子大学人間生活文化研究所年報 (20) 57-60 2010年5月31日  
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 山西 彩加
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62 235-235 2010年5月20日  
    <B>目的:</B>近年、食品偽装等、食に関する消費者問題は社会的に大きく取り上げられているが、衣服に関してはほとんど取り上げられていない。これらは、実際には身近にあっても潜在化しているのではないだろうか。本研究では、衣服に関する消費者問題の有無とその内容を明らかにし、衣服関連の消費者問題が潜在化する理由、潜在化させないための対応策を検討する。<BR><B>方法:</B>国民生活センターに寄せられた衣服関連の相談項目と、20歳代女子(35名)への聞取り調査結果を基に質問項目を作成し、2009年7~8月女子学生331人を対象に質問紙調査を実施し、その結果を踏まえてグループディスカッションを行った。<BR> <B>結果と考察:</B>国民生活センターの「被服品」に関する相談件数は全体の2。8%であった。質問紙調査ではほとんどの人が衣服関連の問題を経験しているが、販売店や企業等に苦情・相談した者はあまりおらず、問題は潜在化してしまっていた。そのまま使用できる、自分で補正できる、洗濯や保管の仕方など自己責任がかかわること等が理由であった。また7割が「苦情相談をするのが面倒だから」「苦情相談先を知らない」と回答していた。グループディスカッションから、「消費者が苦情・相談をしやすい環境づくり」が必要であり、そのためには、ファッション雑誌や衣服のタグに苦情・相談をすることのできる連絡先を掲載することの徹底や、衣服に関心のある学生が中心となりHPサイトを立ち上げ、潜在化しやすい問題を積極的に取り上げ、消費者の立場からの使用感、商品欠損のチェック、口コミランキングを作る、洗濯や衣服の取扱いのコメントを載せるなどし、生産・流通業界団体と消費者を繋ぐ組織や仕組み作りに取組むことなどが提案された。
  • 宇都宮 由佳
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62 193-193 2010年5月20日  
    <b>目的:</b>ポルトガルは,16世紀の大航海時代に香辛料を求めアジアへ進出してきた.その際にもたらされたポルトガルの菓子が今日でも各地域に残っている.筆者は,これまで日本,タイ,マカオ,マラッカ等で,どのようなポルトガル菓子が伝来し,現地の菓子にどのような影響を与えたのか,また,現在ポルトガル由来菓子は各地域でどのような発展を,あるいは消失したのかについて調査研究をしてきた.本研究では,16世紀から20世紀半ばまでポルトガル領であったインドのゴアに着目し,他の地域と比較しつつ分析をする.<br> <b>方法:</b>2005年~2009年12月,継続的に各地域の国立図書館,博物館,教会等で資料・文献調査をおこない,現地の菓子工房,ポルトガル系の家庭でヒヤリング調査を実施した.<br><b>結果と考察:</b> ゴアは,インド南西部に位置した米食が主体の地域である.交易のみならずアジアへのキリスト教布教の拠点でもあり,フランシスコ・ザビエルもゴアから日本へ出航した.現在でもポルトガル系の子孫が居住しており,3割がキリスト教信者である.ポルトガル菓子は,教会で発達し布教手段の一つとして伝えられている.そのためゴアは,東アジア地域とは異なり,ポルトガル由来の菓子の種類も多く,名称も本国と同一のものもあった.特に,これまで着目してきた「Fios de ovos(鶏卵素麺)」は,Letriaとも呼ばれているが,ポルトガルと作り方,用いられ方がほぼ同じであった.ただし,ポルトガルのように小麦で作った菓子の上にのせるではなく,ライスの上にのせるという違いがある.ポルトガル系キリスト教徒の家庭でクリスマスや結婚式の際に作られ,母から娘へ受け継がれていた.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 長谷川 典子
    大妻女子大学家政系研究紀要 46 21-33 2010年3月3日  
  • 宇都宮 由佳, 下坂 知恵, 高橋 ユリア, 渡辺 雄二, 大森 正司, 下村 道子
    大妻女子大学家政系研究紀要 46(46) 45-53 2010年3月3日  
  • 明渡陽子, 堀口美恵子, 小林実夏, 宇都宮由佳, 井上榮
    Campus Health 47(1) 194-196 2010年2月  
  • 宇都宮 由佳
    日本家政学会誌 61(3) 137-146 2010年  
    Glutinous rice reportedly originated in Northern Thailand, and several hill tribes, including the Karen, Mon, and Hmong, live in this area. A comparison of the rice cake-eating culture among the Karen, Lahu, Akha and Lisu tribes was made by collecting data from field surveys conducted six times during 2005-2009. Rice cakes made by pounding rice in a mortar were found with all these tribes when celebrating at their religious ceremonies on their New Year's Day and Christmas. These rice cakes were also presented to temples and churches. With the exception of the Karen, rice was pounded with a mortar and pestle. Kneaded rice cakes were also made by the Lisu and Aka tribes. The Lisu make them communally in the village on Thanksgiving Day, while the Akha usually make them at home. The Karen wrap the rice cakes in bamboo leaves and eat for good health. The Karen, Lafu and Akha tribes add perilla seeds to steamed rice when pounding the rice, while the Lisu add black sesame. This helps to prevent the rice cakes from sticking to the mortar and pestle, and imparts a more sweet-scented and better taste.
  • 宇都宮 由佳
    日本家政学会誌 61(3) 137-146 2010年  
  • 宇都宮 由佳
    会誌食文化研究 = Journal of food culture of Japan (6) 21-30 2010年  
  • 明渡陽子, 堀口美恵子, 小林実夏, 宇都宮由佳, 井上榮
    Campus Health 46(3) 61 2009年9月  
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 森山 夏菜
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61 114-114 2009年5月20日  
    <B>目的:</B>今日,様々な場面でエコが取り組まれる一方,ファッションよる環境汚染に対して,関心をもつ者は少ないように感じる.本研究では,女子大生の視点でエコとファッションを考える.2008年7月女子大生(90名)とその母親世代(70名)を対象に質問紙調査を行い,エコやファッションに対する意識や行動の共通点・相違点を明らにして,ファッションに関するエコを実践している人のライフスタイルを探る.さらに,聞取りやディスカッションの結果も加味して,女子大生の立場から「やりたい」と思えるエコとファッションの方法を考察していく.<BR> <B>結果及び考察:</B>女子大生と母親世代の意識や行動の共通点は,エコに関する情報は「テレビ・新聞」から得ており,エコに関心はあるものの,ファッションより興味が低いことである.相違点は,「環境に良い洗剤の使用」「天然繊維の使用」などエコの実践は母親世代が高い.一方,女子大生は,「年下への譲渡」「フリーマーケット」の活用したリユースを実践している比率が高かった.女子大生におけるエコを実践している人のライフスタイルは,「地域活動に積極的」「掃除好き」「情報をよく探索」「家族からファッション・エコ情報を得ている」ということが明らかとなった.ディスカッションの結果,自治体や企業による衣料品回収サービスやその他の活動について,「知らない」「やりたいと思っても方法がわからない」が指摘され,女子大学生がよく利用する場所や衣料品店など広く情報提供・活動することが必要である.また,1人あたり年間20kgの衣料消費量を減らすため,品質の良いものを長く,またエコ商品の周知を兼ねたネットによる衣料品レンタルなどが提案された.
  • 宇都宮 由佳, スィワナーソン パタニ
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61 102-102 2009年5月20日  
    <B>目的:</B>16世紀の大航海時代ポルトガルは,香辛料を求め東アジアへ進出してきた.その際,影響を受けた菓子が今日もなお残っている.東アジアという文化的に相互関連のある地域において,どのようなものが受入れられ,発展または消失していったのか.本研究では,ポルトガルに影響を受けた菓子について,日本,タイで共通または類似したものに焦点を絞り,主材料,用いる道具,作り方をオリジナルと比較する.そして各国の食文化とどのように融合,変容したのかを探る.今回は調理道具に着目した.<BR><B>結果・考察:</B>調理道具で大きく影響を受けたものはオーブンである.代表的菓子として日本ではカステラ,タイでモーケーンがある.カステラは,小麦粉,鶏卵,砂糖,湯を四角の型へ入れオーブンで焼く.モーケーンも四角の型に入れオーブンで焼くが,材料はペーンマン(キャッサバ芋の粉),アヒルの卵,ヤシ砂糖,ココナッツミルクとなる.希少な小麦粉より豊富なペーンマンを代替したと考えられる.モーケーンのモーとは鍋,ケーンは汁を意味する.現在も調査継続中であるが,モーケーンは元来タイにあり,そこにオーブンが登場し,今日の作り方に変化した可能性もある.<BR>材料で影響を受けたのは「卵」を用いることである.Fios de ovosは,鶏卵素麺(日本),フォイトーン(タイ)となり,特にタイでは宮廷菓子として発展し広く普及した.卵黄液を糸状にする道具は,ポルトガルでは卵殻に穴をあけたもの,日本は竹筒に穴を,タイではバナナ葉を円錐状にしたもの用いていた.現在ポルトガルはステンレス製のジョーロ型となったが,日本,タイはそれぞれ原型に準じた形状となっている.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 角前 とも, 楊 正寛
    大妻女子大学家政系研究紀要 45 95-106 2009年3月3日  
  • 宇都宮 由佳, 本郷 健, 益本 仁雄
    教育情報 25(3) 61-70 2009年  
    本論文は,2004年及び06年に引継ぎ,中・高校生の情報化の影響に関して2008年にタイ王国チェンマイで実施した調査結果を分析したものである.今回の調査研究の目的は,発展途上国における情報環境の実態,インターネットと携帯電話の利用状況,情報リテラシー及びそこで生じる問題点を抽出することである.対象は中学2年生(100名),教員(10名)で,アンケート,ヒヤリング調査を8月に実施した.情報メディアについて,生徒はテレビ,インターネットの接触頻度が高く,またネット情報を活用しつつも,その真偽や間違いには注意を払っていた.携帯電話は8割の生徒が所有しており,男子に比べ女子が通話以外にメールやチャットなど,携帯電話の機能を使いこなしていた.所有時期が早い者ほど情報収集やコンピュータ使用に積極的であったが,ソフトの違法コピー,web上で相手の誤解を招くなど,情報メディアに関するトラブルに巻き込まれやすい実態も明らかとなった.教員は,「ケータイ依存」「裏サイト」より生徒がネットゲームに夢中になることや有害なサイトや情報を危惧していた.
  • 宇都宮 由佳
    食文化誌ヴェスタ (73) 46-49 2009年  
  • 宇都宮 由佳
    日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan 41(4) 278-281 2008年8月20日  
  • 宇都宮 由佳, 益本 仁雄
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 60 170-170 2008年5月30日  
    <B>研究目的:</B><BR> モチ米の発祥の地域ともいわれるタイ北部は,複数の民族が暮らしており,各民族の伝統文化,思想を色濃く反映したモチ米食の文化がある.ところが,近年の急激な経済発展と情報化が進み,流通インフラが整備されると,食文化の均一化・収斂化が認められる.そこで本研究では,各民族の伝統的なモチ米食について,その実態(名称,調理道具,作り方,食し方など)を調査し,民族間で比較分析することを試みる.今回は,タイ族,山岳民族のリス族,カレン族について分析する.<BR><B>研究結果:</B><BR> 大多数を占めるタイ族は,古来よりモチ米を主食としていたが,近年,電気炊飯器が普及しウルチ米が主食となりつつある.モチ米食は,山間部の村や伝統行事で見ることができる.主食とする場合は,蒸したモチ米を食す.行事の場合は,モチ米を挽き,粉にして「カノムジョ」など菓子の材料として用いる.<BR> 山岳民族の主食はウルチ米で,行事の時のみモチ米が食される.リス族は,新嘗祭で作る「カプッ」と正月(旧暦)の「カノムペーン」「カノムジョ」があり,村人総出で作る. 「カプッ」は,炒った黒ゴマと蒸したもち米をついて直径8cmほどの平たい円状に形成し,バナナの葉を九十九折にしながら餅を挟んでいく.後者2種は,タイ族から影響を受けたものである.<BR> カレン族は,「メートー・ピー」が代表例で,炒ったケシの実と蒸したモチ米をつき,伸し餅状(直径約30cm)にして,焼くまたは揚げて食す.「メートー・ポッムン,プックワ」は,生のもち米とピーナッツを笹の葉で包みと竹ひごで縛って茹でる.笹の葉の包み方で男型・女型を表し,名称が異なる.これらはクリスマスと病気の治癒祈願のとき各家庭で作られている.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 松田 薫, 角前 とも, 滝山 桂子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 60 353-353 2008年5月30日  
    <B>目的・方法</B><BR> 台湾には,17世紀に中国大陸から移入した本省人とよばれる閩南(みんなん)と客家(はっか),及び第二次世界大戦後に移入した外省人,そして原住民族13族が住んでいる.本研究では,台湾住民の8割を越える閩南と客家の伝統服に着目して,その特徴を明らかにし,大学生の着用経験,イメージ,伝統服継承の意志,それらの維持継承の方途について考察する.<BR> 文献研究をもとに,在日台湾留学生へ面接聞取り調査をし,2007年11月に台中の静宜大学学生136名に質問紙調査を実施した.統計分析には統計ソフトSPSSを用いた.<BR><B>結果・考察</B><BR> 両民族の伝統服の特徴は,右開きの大きな襟のシャツと裾が広がったズボンである.閩南は,紅や黄,緑など明るく華やかな色で高価なものには刺繍がほどこされている一方,客家は,黒,茶,藍など地味な色で作りも簡単なものが多い.<BR> 台湾大学生の伝統服着用経験は,「着たことがない」が7割を占め,着用した者でも明・清時代の中国大陸の伝統服であるチャイナドレスも含まれており,自分たちの伝統服は日常生活から遠い存在であることが明かとなった.伝統服に対するイメージは,「着てみたい」と答えた者は「値段が高い」「高級感がある」「かわいい」である.一方「着たくない」と答えた者は「地味・色が暗い」「恥ずかしい」「目立つ・派手」というイメージを持っていた.<BR> 着用経験は低いものの伝統服を「継承する意志」は非常に高く,継承のためには「台湾のアイドルがテレビで伝統服を着用」「現代風にアレンジ」などの回答が得られた.また,本研究の分析結果から,「若者が手に入れられる価格」「刺繍を多く取り入れたデザイン」「着用する行事や機会を設ける」が提案された.
  • 宇都宮 由佳, 益本 仁雄, 長谷川 典子
    社会情報学研究 12巻33-42(2) 33-42 2008年3月30日  
  • 宇都宮 由佳
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 60 225-225 2008年  
    <B>研究目的:</B><BR> 米を主食とする東アジアにおいて,各地域の伝統菓子は類似したものが多い.16世紀後半の大航海時代にポルトガルが進出した地域(日本,タイ,マカオなど)では,その影響を受けた菓子が共通してみられる.東アジアという文化的に相互関連のある広い地域で,どのようなポルトガル菓子が各地域へ伝播し,発展または消失していったのか?本研究では,特にポルトガル菓子をそのままの形で継承しているものに着目し,作り方,用いられ方,伝播の仕方などポルトガルと日本,タイとを比較分析する.<BR><B>研究結果:</B><BR> 東アジアで原型をとどめたポルトガル菓子にFios de ovos(卵の糸の意味)がある.これは,日本では鶏卵素麺,タイではフォイトーン(金色の細かいもの意味)と呼ばれ,他の地域ではみられない.マカオのポルトガル人が経営する菓子店では,クリスマスなど主要な伝統行事の際に作られるとのことであったが,現地の人々に浸透しているとはいえない.<BR> 作り方について,ポルトガルでは,沸騰した砂糖水に卵黄液を細く糸のように落とし,その後水でさらすが,日本,タイは水にさらす工程はない. 用いられ方は,ポルトガルでは修道院で作られたため,宗教行事に際,多く用いられ,ケーキのトッピングやデコレーションとして他の菓子を引き立たせるのに使われている.日本では,黒田藩の菓子として献上品や茶会の菓子に,タイでは,宮廷菓子として発展し,結婚式など祝い事のほか,日常的にも食されている.<BR> 日本では,藩の菓子として明治までその製法が他へ伝わることがなかったが,タイでは,宮廷から貴族,上流階級,庶民へと,各階層の厨房で働く者たちによって,製法が全国へ広がり,まだその発展系の菓子も誕生した.
  • 宇都宮 由佳
    日本調理科学会誌 41(4) 278-281 2008年  
  • 宇都宮 由佳
    食文化誌ヴェスタ (72) 49-53 2008年  
  • 宇都宮 由佳
    食生活科学・文化及び環境に関する研究助成研究紀要 23 71-79 2008年  
  • 日本家政学会誌
    日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan 58:771-780(12) 771-780 2007年12月1日  
    This study of female students, who have worn Western clothes since their childhood, attempts to answer two questions: how conscious are female students about their own ethnic costumes, and how do those who often wear ethnic costumes behave? In July and August 2006, a written survey question-naire as well as a verbal survey of Japanese and Thai female students aged 18 to 24 years old (n=203) were conducted. The students of both countries indicated that their own ethnic costumes are difficult to move in. However, they highly valued them for being "conspicuous, " "pretty, " and "well-matched for themselves." Japanese female students think that their ethnic costumes have a "peculiar feeling" and cause them to feel "tense when they wear them." Such feelings are presumably caused by the difficulty of putting them on and the fact that they are mainly worn on occasions of rites of passage. Meanwhile, Thai female students have no special feeling towards their own costumes like in Japanese, though they hold them in high regard. The personal character of Japanese female students who frequently wear ethnic costumes are those who enjoy "going to the sea or mountains, " are "sensitive to fashion, " etc. They have active lifestyles. In Thailand, those who enjoy wearing their national costumes are "fond of reading, " are "leading a well-regulated life, " and are "helping their parents." The female students of both countries are proud of their own traditional culture and wish for it to be preserved.
  • 宇都宮 由佳
    Elytra 35(1) 159-162 2007年5月30日  
  • 益本仁雄, 宇都宮由佳, 青木絵美
    日本家政学会大会研究発表要旨集 59th 140 2007年5月10日  
  • 益本 仁雄, 坂下 春奈, 栗原 未来, 宇都宮 由佳, 滝山 桂子, サッカヤパン サオワパー
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59 41-41 2007年5月10日  
    <B>目的・方法</B>:近年,日本では和ブームがみられ着物など伝統服やその柄,デザインに関心が高まっている.またタイでは,OTOP(タイの一村一品運動)による地場産業の復活運動や学校での毎週金曜日に伝統服を着用するなど伝統文化が見直されている.<BR> 本研究では,幼い頃から洋服を着用している現代の若者が自国の伝統服に対して,どのようなイメージを持っているのか,またどのようなライフスタイルをおくっている者が伝統をよく着用しているのかについて,日本とタイの女子大学生(18~24歳)を対象に2007年7,8月記述式質問紙調査を実施し,聞取り調査をあわせて明らかにした.<BR><B>結果・考察</B>:両国ともに伝統服に対して,「動きにくい」「着用が難しい」など機能性に欠けると思いつつ,「目立つ」「かわいい」「華やか」と好意的印象を持っている.伝統服着用は,「伝統行事への参加」と関連性が高く,日本ではファッションに関心があり,伝統行事へよく参加する人が着用している.一方タイは,伝統行事に関心が深いものの,日本ほど着用と行事参加に関係性がみられない.着用頻度の高い人物は,日本では「海山へ行く」「旅行好き」などアクティブな面が見られる.一方,タイでは「読書好き」や「規則正しい生活」「親の手伝い」をする者であった.自国の伝統を意識する対象として,「伝統服」と「伝統菓子」で比較した結果,身近であるのは両国ともに「伝統菓子」であったが,外国人に紹介するならば,タイは「両方」が半数,日本は「伝統服」が6割以上と高かった.現代の若者は,両国ともに自国の伝統文化に誇りがあり,継承したいと考えている.ただ,そのための知識と手段を持ち合わせていないということが明らかとなった.
  • 宇都宮 由佳
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59 44-44 2007年5月10日  
    <B>目的:</B>タイの伝統菓子は,カノムタイと呼ばれ,カノムの由来が米(カーオ)であることから,米が主体であることがわかる.米を主食とする東アジアにおいて,各地域の伝統菓子は類似したものが多い.また16世紀後半,ポルトガル菓子の影響を受け,調理器具にオーブンが用いられ,初めて菓子に「卵」が使われるようになった点でも共通性がみられる.大航海時代にポルトガルが進出した地域は,日本,タイ,マカオやマレーシアなど東アジアの各地に点在している.これらの地域で,当時のポルトガル人が自国から持参した,あるいは現地で調達した調理道具,食材を検討すると,各地域に伝えられ受入れられた菓子には共通するものが多かったのではないだろうか.東アジアという文化的に相互に関連がある広い領域において,どのようなポルトガル菓子が各国へ伝来し,そして発展または消失していったのか?<BR>本研究では,上記の疑問解明の第1ステップとして,地域をタイに限定し,ポルトガル由来の菓子を探る.<BR><B>結果:</B>タイの伝統菓子についての代表的な文献S. Khounphan著「KANOM THAI 1~2」を用いて,材料及び調理法から各種の菓子をデータ化し,タイ伝統菓子の全体を把握した.タイの伝統菓子は,鶏卵だけなく,アヒルの卵を用いることも多い.そこで,「卵」を中心にポルトガル由来の菓子を浮き彫りした.タイでは,ポルトガル菓子のFios de ovosと同じ伝統菓子フォイトーンが認められ,またこれから派生したと考えられるトーイップ,トンヨーは,ほぼ同じ材料で作られるが,形状は異なっていた.これらはポルトガルでは見られず,伝播した菓子がタイで発展,変容したことが伺えた.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, スイワナーソン パタニ
    大妻女子大学家政系研究紀要 43 93-104 2007年3月3日  
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 青木 絵美
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59 142-142 2007年  
    1992年以来,社会情報化の進展が北タイの未電化村の住民や共同体に与える影響と生活変容の実態を質問紙調査や聞取り調査などを用いて継続的に研究している.10年前,村に電気が供給されテレビが急普及し大量の社会情報がもたらされた.村人は,生活向上の実現を目的に収入増加をはかるため出稼ぎや夜間に電灯下で労働を増やし,また高学歴志向をもつようになった.都会に出る者の急増は家族の役割・機能に変化をもたらした.家族機能の外部化現象や,生活用品の購入や輸出用農産物作付けの積極化が認められた.しかし伝統文化である年中行事は村の構成員としてのアイデンティティー維持のため盛んに行われている.<BR> 近年,発表者らは村人の社会情報の収集・活用能力がどのように進化したのかについての研究に取組んでいる.未電化時代,村人は社会情報を得るすべも無くまた関心もなかった.しかし,最近では情報の重要性を認識し,積極的に収集・活用しようとしている.農業情報及び自動車情報では,現在に近いほど収集・活用している.健康情報と政治情報では,現在が最も活発に収集・活用しているが,未電化時でもある程度行っていたと意識している.また,農業情報は,村人全体の収集・活用能力が顕著に上昇したが,自動車情報では一部の村人のみが高い能力を獲得し活用していた.さらに,女性が最近になってマスコミの影響を受け,活用能力を急激に高め,老年層が一部の情報で最近,情報受容をしていることも明らかになった.<BR> 村人は,社会情報について未電化時には低い収集・活用の能力レベルであったが,電化後は能力を飛躍的に伸ばし,能動的な活用能力レベルとなり,最近では能動的な情報収集に裏付けされた活用能力を獲得したと考えられる.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 滝山 桂子
    教育情報 23(2) 3-12 2007年  
    2006年度に,日本とタイで中学2年生の情報収集および情報活用能力に関する質問紙調査ならびに当該中学において情報教育の現状に関して聞き取り調査を実施し,比較検討をおこなった.その結果,発展途上国のタイでも情報教育に力を入れており,生徒のコンピュータリテラシーもかなり高いことがあきらかになった.また,日本に比べタイでは,職業に密接に関連するスキルを磨く教育を志向していた.日・タイの情報教育の今後について,次のように指摘した.日本では,批判的な目で情報メディアに接し,複数の情報メディアを比較して,必要かつ正しい情報を見つけ出す力を養成することを情報教育で徹底すべきであろう.また,タイにおいては,インターネットが犯罪に使われるケースは多くはないものの,今後,急速に増加していくと予想されることから,インターネット社会におけるセキュリティ教育によって,犯罪や事故に対して防衛力をつけるように教育することが重要である.
  • 益本 仁雄, 宇都宮 由佳, 滝山 桂子, 坂下 春奈, 栗原 未希
    日本家政学会誌 58(12) 771-780 2007年  
    This study of female students, who have worn Western clothes since their childhood, attempts to answer two questions: how conscious are female students about their own ethnic costumes, and how do those who often wear ethnic costumes behave? In July and August 2006, a written survey questionnaire as well as a verbal survey of Japanese and Thai female students aged 18 to 24 years old (η=203) were conducted. The students of both countries indicated that their own ethnic costumes are difficult to move in. However, they highly valued them for being “conspicuous,” “pretty,” and “well-matched for themselves.” Japanese female students think that their ethnic costumes have a “peculiar feeling” and cause them to feel “tense when they wear them.” Such feelings are presumably caused by the difficulty of putting them on and the fact that they are mainly worn on occasions of rites of passage. Meanwhile, Thai female students have no special feeling towards their own costumes like in Japanese, though they hold them in high regard. The personal character of Japanese female students who frequently wear ethnic costumes are those who enjoy “going to the sea or mountains,” are “sensitive to fashion,” <I>etc.</I> They have active lifestyles. In Thailand, those who enjoy wearing their national costumes are “fond of reading,” are “leading a well-regulated life,” and are “helping their parents.” The female students of both countries are proud of their own traditional culture and wish for it to be preserved.
  • 日本教育情報学会 教育情報研究 23巻2号3-12頁 2007年  
  • 宇都宮 由佳, 益本 仁雄
    Elytra 34(1) 165-177 2006年5月20日  
  • 宇都宮 由佳
    日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan 57(5) 271-286 2006年5月15日  
    In a continuing study on the food eaten by the local people in northern Thailand, this report presents the results of a study into the characteristics and function of traditional confectionery from questionnaire, listening and literature surveys. The data were analyzed by the statistical method with SPSS software and also by some sociological methods. Khanom Thai, or Thai traditional confectionery, was originally made from rice and sugar in the court of the Thai dynasty as an offering to the Royal Family and monks. Influenced by the food culture of foreign countries, the confectionery was refined and disseminated from the central to local areas. Important characteristics of this confectionery in northern Thailand developed from making at home on special occasions of Buddhist and agricultural festivals, marriage ceremonies and housewarming parties. Glutinous rice is the main material, while sugar and coconut milk are not as frequently used as they are in Central Thailand. Compared with Khanom Thai from Central Thailand, the confectionery is simple in shape and taste. The people of northern Thailand can now obtain various types of Khanom Thai through development of the distribution channels. Home-made Khanom Thai strengthens the family bond and gives a deeper feeling of satisfaction and fulfillment, while offering Khanom Thai to the Buddha would greatly accentuate their virtue. Although those are the main features of the function of Khanom Thai, making and eating the confectionery will become a more significant trigger to recognition of the identity of Thai people in future.

書籍等出版物

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Works(作品等)

 1

共同研究・競争的資金等の研究課題

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